配列の要素やコレクションのメンバーを1つずつ順番に取り出して、繰り返し処理を行う命令です。

グループのメンバーをすべて取り出し終えると、繰り返しは終了します。

For Each 変数名 In グループ名
 変数を使った処理
Next 変数名

グループ名：配列名やコレクション名、セル範囲を指定

グループには、配列やコレクション、複数のセルを指定できます。

「Next 変数名」の変数名は省略可能です。
For Each…Nextステートメントをネストした場合は、判別のため、変数名を記述することが推奨されます。

【グループにWorksheetsコレクションを指定】
Sub Macro1()
    Dim ws As Worksheet

    For Each ws In Worksheets
        MsgBox ws.Name
    Next ws
End Sub

アクティブブックのWorksheetsコレクションの各ワークシートをひとつずつ取り出し、名前をメッセージボックスに表示します。

Worksheetsコレクションとは、ブック内のワークシート（Worksheetオブジェクト）の集合体です。

アクティブブックにワークシート「Sheet1」「Sheet2」が存在する場合、For Each…Nextステートメントは以下のように処理されます。
ws = ワークシート「Sheet1」→ 「Sheet1」のメッセージボックスを表示
ws = ワークシート「Sheet2」→ 「Sheet2」のメッセージボックスを表示

【グループに配列を指定】
Sub Macro2()
    Dim arr(1) As String
    Dim item As Variant
    
    arr(0) = "リンゴ"
    arr(1) = "バナナ"

    For Each item In arr
        MsgBox item
    Next
End Sub

配列arrの各要素をひとつずつ取り出し、各要素の値をメッセージボックスに表示します。

For Each…Nextステートメントは以下のように処理されます。
item = arr(0)→ 「リンゴ」のメッセージボックスを表示
item = arr(1)→ 「バナナ」のメッセージボックスを表示

【グループにセル範囲を指定】
Sub Macro3()
    Dim cell As Range
    Dim i As Long

    For Each cell In Range("A1:A3")
        i = i + 1
        cell.Value = i
    Next
End Sub

セル範囲A1:A3の各セルをひとつずつ取り出し、各セルに変数iの値を代入します。

For Each…Nextステートメントは以下のように処理されます。
cell = セルA1→ i = 1→ セルA1に1を代入
cell = セルA2→ i = 2→ セルA2に2を代入
cell = セルA3→ i = 3→ セルA3に3を代入

【グループにSelectionを指定】
Sub Macro4()
    Dim cell As Range
    Dim i As Long
    
    'セル範囲A1:A3を選択
    Range("A1:A3").Select

    For Each cell In Selection
        i = i + 1
        cell.Value = i
    Next
End Sub

For Each…Nextステートメントのグループに指定されているSelectionは、現在選択されているオブジェクトを表します。
したがって、「Range("A1:A3").Select」で選択したセル範囲A1:A3を表します。

Selectionから各セルをひとつずつ取り出し、各セルに変数iの値を代入します。

For Each…Nextステートメントは以下のように処理されます。
cell = セルA1→ i = 1→ セルA1に1を代入
cell = セルA2→ i = 2→ セルA2に2を代入
cell = セルA3→ i = 3→ セルA3に3を代入